2024年、ゲーム業界が沸きました。
アトラスが放った新作RPG『メタファー:リファンタジオ』が、The Game Awards 2024でBest RPG・Best Narrative・Best Art Directionの3部門を制覇。そして2025年、日本ゲーム大賞の年間作品部門「大賞」まで受賞しました。
世界と日本、両方のゲーム界が認めた作品。そんな作品を、私はPS5で約120時間かけてトロコン(全トロフィー取得)しました。
だから、正直に話せます。
物語は、本当に面白かった
このゲームの舞台は、人間とさまざまな「種族」が共存する王国です。種族によって差別があり、宗教が対立を生み、政治的な理念が人々を分断しています。
主人公は、そんな世界を変えようとします。物語が進むにつれ、対立していた立場の人々と少しずつ友好を築いていく。宗教的に相容れないはずの人たちが、政治的に敵対していたはずの人たちが、一つひとつ関係をほぐしていく。そのプロセスが丁寧に描かれていました。
現実の人種差別や政治対立に問題意識がある人なら、この物語は特に刺さると思います。フィクションでありながら、現実の縮図のような重みがあります。
ペルソナ5の正統な進化系
システム面でいえば、ペルソナ5をさらに磨いた作品という印象です。同じアトラス作品なので当然といえば当然ですが、ペルソナ5で「ちょっと面倒だな」と感じていた部分のほとんどが改善されています。
ペルソナシリーズを遊んだことがある人なら、おそらくすんなり入れます。雑魚敵はサクサク倒せて、カレンダーシステムの日数も余裕があって、戦闘以外のシステムも快適でした。
ボリュームも充分すぎるほど。トロコンまでに約120時間。やり込み要素もしっかり用意されています。
それでも、80点にとどまった理由
正直に言います。このゲームへの私の評価は80点です。
受賞歴や完成度を考えれば、もっと高く評価すべきかもしれません。でも、いくつかの点が引っかかりました。
世界観に、既視感があった
このゲームの世界観には、物語が進むにつれて明かされる「真の姿」があります。その仕掛けはよくできていて、初めて触れる人には大きな衝撃を与えるはずです。ただ、私はすでに似た仕掛けを持つ作品に触れていたため、その衝撃が大きく減じてしまいました。
ゲームに限らず、アニメや小説にも、この系統の世界観を持つ作品はちょくちょく存在します。初めてそういう世界観に触れる人なら、きっとこの物語の独自性に大きな衝撃を受けたはずです。でも私には「あ、この感じか」という既視感が先に来てしまい、衝撃が激減してしまいました。
プレスターンバトルの圧
このゲームは「プレスターン」と呼ばれる戦闘システムを採用しています。敵の弱点を突けばターンを追加獲得でき、弱点を外すとターンを失う——というシステムです。
私はかつて、同じアトラスの『真・女神転生Ⅲ NOCTURNE HD REMASTER』でこのシステムを経験しました。そのときも同じ感想を持ちました。「面倒くさいな」と。
メタファーはペルソナシリーズの操作感を引き継いでいるので、メガテン3と比べればはるかに遊びやすい。しかし終盤になるほど、ボス敵への対策が必要になってきます。
問題は、カレンダーシステムと経験値の仕様です。敵とのレベル差がつくと獲得経験値が減るため、同じ場所での稼ぎがしにくい。それなのに、カレンダーは刻々と進んでいく。「ちゃんと対策を立てたいのに、立てにくい」という状況が終盤に生まれてしまいました。
以前レビューしたモンスターハンターストーリーズ3でも終盤に似た「面倒くささ」を感じましたが、同じ感覚です。
キャラクターデザインと恋愛要素
多種多様な種族を表現するためでしょうか、キャラクターのデザインは独創的です。ただ、私の好みのデザインからは離れていました。「このキャラが特に好き」という気持ちがなかなか生まれませんでした。
また、ペルソナ4・5と比べると恋愛要素がほぼありません。キャラクターとの絆を深める要素はあるのですが、ペルソナシリーズのような恋愛的な展開は期待できません。そこは少し残念でした。
どんな人にオススメか
正直、これが一番難しい問いです。
ペルソナシリーズ経験者なら、システム面でつまずかずに入れると思います。ただ、ペルソナ4・5のような明るくオシャレな雰囲気が好きな人には、作品の雰囲気が合わないかもしれません。
現実の人種差別や政治対立に問題意識がある人なら、この物語は深く刺さるはずです。そして、この系統の世界観——一見ファンタジーのように見えながら、物語が進むにつれてその真の姿が明かされていく——に初めて触れる人なら、大きな衝撃を受けると思います。
まとめ
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