売上が減っても、利益が35%増えた。スクウェア・エニックスの「変わった瞬間」の話

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スクエニ、大丈夫か——と思っていた

スクウェア・エニックスの最新作をずっと遊んできました。FF16、FF7リバース、ロマサガ2R、DQシリーズのHD-2Dリメイク群、FFタクティクス——どれも完成度が高く、ゲームの質については心配したことがありません。ただ、SNSを開くたびに「スクエニは迷走している」「もう終わりだ」という声が目に入ってきた。作品を心から楽しんでいるのに、その誹謗中傷を見るのが不快でした。

でも先日、スクウェア・エニックスが2025年度(2026年3月期)の決算を発表しました。数字を見て、安心しました。

売上は減った。でも利益は35%増えた。これはうまくいっている会社の数字だ。

数字が示すもの

2025年度の売上高は2,976億円で、前年比8.3%の減少です。ここだけ切り取れば「業績悪化」に見えます。

でも、営業利益は547億円で前年比34.9%増。営業利益率は18.4%です。これは「100円売って、18円以上が利益として残る」という意味で、ゲームメーカーとして非常に健全な水準です。

売上が減って、利益が増える。これはどういうことか。

量より質への転換——2年で赤字から利益率19%へ

スクウェア・エニックスは近年、発売するタイトル数を大きく絞りました。以前は年間に多くのゲームをリリースしていましたが、それをやめた。代わりに、一本一本をしっかり作ることに集中した結果が、今年の利益率に表れています。

特に注目なのがHDゲーム部門(FF16やFF7リバースなど家庭用・PC向け大型タイトル)の変化です。

  • 2年前:利益率 −8%(赤字)
  • 1年前:利益率 4%
  • 今年:利益率 19%
2年で、赤字から利益率19%へ。これが「変わった瞬間」の中身だ。
スクウェア・エニックス2025年度決算説明会 HDゲーム部門スライド

FF14が、静かに会社を支えている

FF14を遊んでいる方には、特に知ってほしい数字があります。

今年のMMO(オンラインゲーム)部門の営業利益は151億円。一方、好調だった2025年度のHDゲーム部門の営業利益は141億円でした。

MMOの方が、10億円多い。

しかも今年のMMOは決して絶好調の年ではありませんでした。それでもFF14、FF11、ドラクエ10が稼ぎ続けた。長年プレイヤーを大切にしてきたゲームが、会社の土台を支えているという事実です。

スクウェア・エニックス2025年度決算説明会 MMO部門スライド

最近のスクエニを、本当に遊びましたか?

「プレイヤーはムービーを見たいのではなくゲームを遊びたい」という言葉を、SNSで見たことがあります。それ自体はもっともな主張です。でも、それが最近のスクエニへの批判として使われているとしたら、少し立ち止まって考えてほしい。

FF16、FF7リバース、ロマンシング サガ2 リベンジ オブ ザ セブン、ドラゴンクエスト I&II HD-2Dリメイク——これらを実際に遊びましたか?

ゲームとして、ちゃんと面白いです。そして、それは私だけの感想ではない。

ゲーム評価サイト「Metacritic」が2025年の年間パブリッシャーランキングを発表しました。1位はスクウェア・エニックス——しかも同社にとって史上初の首位獲得です。FF7リバースPC版(スコア90)、ファイナルファンタジータクティクス ザ イヴァリース クロニクルズ(88)、ドラゴンクエストI&IIリメイク(88)など、9本のリリース平均スコアが84に達した結果です。

声が大きいことと、正しいことは別だ

SNSでは、スクエニを批判することが一種のコンテンツになっています。FF16は特に顕著でした。「クソゲー」という言葉が飛び交っていたけれど、あのゲームは神ゲーではないかもしれない。でも、ちゃんとした良作です。

関心を引きたいだけの声と、実際にゲームを遊んだ感想は、別物です。

声が大きいことと、正しいことは、別だ。

次は、新しい景色が見たい

ただ、一点だけ正直に言わせてください。

ロマサガ2R、DQシリーズのHD-2Dリメイク、FFタクティクス——どれも素晴らしい完成度でした。でも、近年のスクエニはリメイク・リマスター作品が多いのも事実です。

財務基盤が固まった今だからこそ、次は新規IPや新しいナンバリングタイトルに本腰を入れてほしい。FF17でもいい、まったく新しい世界観のRPGでもいい。「スクエニにしか作れないゲーム」の新作を、ファンとしてずっと待っています。

それができる体力が、今の決算数字には確かにある。だから、期待しています。

そして、その期待が現実になるかもしれない日が、もうすぐやってきます。5月27日は「ドラゴンクエストの日」——ドラクエシリーズ40周年にあたる今年、堀井雄二さんが「その日に次回作の情報を出す」と明言しました。2021年に発表されたまま5年間続報のなかったドラゴンクエストXIIに、ついに動きがあるかもしれない。

スクエニのゲームを、安心して買っていい

FF16、FF7リバース、ロマサガ2R、DQシリーズのHD-2Dリメイク群、FFタクティクス——これだけの作品を出し続けてくれているスタジオが、財政的にも健全な方向に向かっている。それが、今回の決算でわかったことです。

好きなシリーズの続きが出たとき、買うかどうか迷う必要はありません。SNSのノイズに惑わされず、気になるゲームをまず遊んでみてほしい。スクウェア・エニックスは今、ちゃんと良いものを作ろうとしています。その証拠は、決算書の中にあります。

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